ふらふら生きつつふらふら書く

情報処理技術、演劇、仕事、生活、他諸々、頭の中を整理するために書き出します。

おめでとう。

注:シン・ウルトラマンのネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

シン・ウルトラマン観た。
全然そんなつもりで見に行ったわけではなかったけど、泣いた。
びっくりした。
なんでだろうね。なんかめちゃくちゃ画面に愛情を感じていた。
ウルトラマンがちょこちょこ口に出す人間への思いやりみたいな、
人間のためになんとかしようという姿勢が随所に見えるのね。

人間である自分からすると、人間なんかのために、なわけなんだけど。
でさ、禍威獣がどんどん人間っぽくなっていくじゃんね。
初代ウルトラマン自体全然世代じゃないし、見てないと思うんだけど。
うっすらウルトラセブンのソフビ人形があったことを覚えているから
たぶん平成のセブンは見てたんじゃないか。
や、それでその禍威獣の考えることがさ、ほんと人間の醜いところなわけじゃん。
これは初代ウルトラマンもこんな感じなの?
で、最終的には見た目も完全に人間じゃん。自らの欲望むき出しで交渉事進めるくだりまじ人間~、醜い~ってなるじゃんね。とりわけ権力者、支配者の面々がそういうくだりを担当しているところがさ、
で、また、その交渉の結果、これまでさんざんおんぶにだっこだったウルトラマンを敵とみなすと決まってさ、それがしょうがないものとしてずんずん進んでいく感じがさ、
うわ~人間~、どうしようもねえな人間~ってなるのよ。
そうするとウルトラマンの献身性が光ってよくみえるじゃん。
胸に来るよこれは。

「他人の為」を行動原理にするとさ、疲労感だけが残るじゃん。
残んない人もいるかもしれないけど、あたしは残るのよ。
かといって「自分の為」だと、今はなんにもしたくないってなるのよ。
これは他人を優先しなさいっていうしつけの賜物だと思ってるんだけど、
もうどうしようもなく「他人の為」ってならないと体が動かないのよ。
あたしは。

で、そういう動機はさておき、「他人の為」って自己満足につながらないと
ただただ、不毛なのよ。仕事ってその最たるものだと思っていて、
あたしこじれちゃったから、「他人の為」に仕事するんだけと、
この仕事自体も好きになるのに一生懸命です、みたいな程度だから、
相手の反応にしろ、手取りにしろ、自分の満足感にしろ、
馬鹿馬鹿しくなってくるのね。なってくるっていうか、仕事すればするほどなるんだけど。
とりわけついこないだとかさ、電話が鳴り次いで結局定時で帰れなかった挙句、まだ家で続きをやるつもりのタスクがあって早く帰りて~頭ぼ~っとしてきたわ~ってなってたタイミングでよ。「メールが使えなくなっちゃったんだけど、、」って聞いてきたから、え~なんだろうねって真面目に対応したんだけど、しばらく色々眺めてたら結局メーラーがサーバ運営者から見放されたってだけの話だったんだわ。徒労感もあるし、結局その愛用メーラーは使えないんだね残念でしたって伝えたら、「いや、使えないのは知ってたんだけど、どうにもなんないのかなって(ヘラヘラ)」みたいなことを言い出すからさ。
は?いや、聞き方違うだろ。使えなくなっちゃったんじゃないじゃん。もともと使えてないんじゃん。
こういう聞き方してくる奴の相手するのマジで面倒なんだわブチギレってなったのよ。
かといってさ、電話かけてきた相手に一応気を遣うわけじゃん。
もうそのセリフが飛んできたタイミングからめちゃくちゃ塩対応したわけなんだけど、
そのくだりが一通り終わった後にどっと疲れて馬鹿馬鹿しく思うのね。
「他人の為」に困ってることを解決するべく四苦八苦することが作業の大部分を占めるわけで、
でもそこに費やす時間と労力とを、こういう風に体よく都合よく使われたりとかするわけじゃん。
人間って、自分がやられたら絶対に不快なことでも、簡単に他人にできちゃうじゃん。
平気でそれができちゃうじゃん。あたしも含めて。
だからやっぱり基本的には「他人の為」って不毛で、「自分の為」に集中した方が絶対に満足度高いわけじゃん。

それでもよ、それでも、ウルトラマンは「他人の為」をやり続けるのよ。特に同僚の為に、バディの為に何とかしようとするのよ。しかも異星人だってことをわきまえて、人間に手伝わせるのは酷だってことをわきまえて、一人で何とかしようとするじゃん。胸に来るよこれは。
やめてくれよウルトラマン、人間の為にそんな頑張る必要はないんだと、そこまでして人類を存続させることに意味はないんだと、胸倉をつかんで怒鳴ってやりたくなるじゃん。

ウルトラマンシリーズって自分にとってどういう存在だったかすっかり忘れていたんだけどさ、
どういう目線でウルトラマンを見てたかって忘れつつあったんだけどさ、
ヒーローであって憧れだよね、やっぱ。ごっこ遊びをどれだけやったかはもう覚えてないけど、
そうあれたらいいなって、やっぱり思うんだろうね。今見てもそう思ったもん。
眩しいよ。分かり合おうと歩み寄って、「他人の為」を続けて、
理解できなかった人間と同じように、命を投げ出してもいいって思えるまで好きになれたって、
眩しすぎやで。

 

行く前にさ、この辺のページを眺めたのね。
https://www.cinematoday.jp/news/N0130217
https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi20
https://shin-ultraman.jp/about/

ウルトラマンシリーズとの関係ってもう忘れつつあったから、
え、ウルトラマンってなんだっけ?美しいとかそういうものなんだっけ?って疑問だったのよ。
美しかったわ。眩しすぎたわ。ヒーローだった。
あと成田亨さん。同じく商業的な問題で苦しんだ庵野さんがウルトラマンを見てたってこととか、そのリメイクをやるってこととか、その作品にめちゃくちゃ愛情が注がれていることとか、もうほんと、よかったね。ぜんぜんウルトラマンオタクでもなければ、成田さんのことも今回でようやくはっきり認識しましたって程度なんだけど、良かったんじゃない?ここまでされたら、やっぱ喜んでくれるもんじゃないかなあ。
圧巻のテーマソングで古参ウルトラマンオタクを悔し泣きさせたという米津玄師も、異星人としか思えない。
いい曲だなあ。